はじめに
いままでAdobe社が独自の仕様で作ってきた電子文書フォーマット「PDF」が国際標準化された。
Adobe社はPDFの仕様を公開してきた。
バージョンアップ内容も当然公開してきた。
それがゆえに世界のデファクトスタンダードの地位を築いた。
しかしAdobe社の考え方が完全にオープンと言う訳では無い。
独占的なPDF仕様だった。
それが2008年7月2日に国際標準化機構(ISO)の規格承認を得た電子文書フォーマット「PDF」となった。
初期から機能追加を繰り返してきたPDF仕様(国際規格ISO 32000-1)はここで1つの転機を迎えるかもしれない。
それをメリットとデメリットで見てみたい。
メリット
- 国際的な見地から考えられたPDF仕様になる。
- 余分な仕様、過去の仕様(=使われていない仕様)は削られる可能性があり、時代にあったPDF仕様になる。
- 各ソフトウエアメーカーが開発しやするくなる。
デメリット
- 仮に一部の仕様が削られた場合は動かなくなるソフトウエア、又は表示されないPDFが出る可能性がある。
※この可能性は非常に少ないと推測する。 - Acrobat v9.0のPDF仕様「ISO3200-2」は今回の国際標準化機構(ISO)の規格承認を得ていない。
よって、その結果しだいではAcrobat v9.0は国際標準化機構(ISO)に合わした「Acrobat v10.0」を早急に検討しなければならない。
つまりAcrobat v9.0は無用の産物になるかもしれない。
※これは大げさな表現だが。 - 仕様変更により動かなくなるソフト、表示出来なくなるPDFが出る可能性がある。
これは限りなく無いと思われるが、近未来を見つめた考えが組み込まれると無きしもあらず的な事態だ。
以上、独断と偏見でAdobe社の電子文書フォーマット「PDF」の国際標準化を考察してみた。
国際標準化はいい意味で荒波に出た事になる。
Acrobat v9.0向けの独自の開発は国際標準化をみてからはじめた方がいいみたいだ。
2010/05/01 時点
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