AcroExch.PDPage： AddAnnot メソッド

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説明

ページに他のテキスト注釈をコピー追加します。

AddNewAnnotメソッドとの違いは同じのPDFドキュメントにある注釈を元にコピーする為に作られたメソッドです。

他のPDFドキュメントからは直接コピー追加は出来ません。

形式

VARIANT_BOOL AddAnnot(long nIndexAddAfter,
LPDISPATCH iPDAnnot);

引数

第１引数(long nIndexAddAfter) ：
「-2」固定。他の値を指定すると何故か失敗する。
第２引数(LPDISPATCH iPDAnnot) ：
同じPDFドキュメントにある注釈オブジェクトであるPDAnnotオブジェクト。

戻り値

-1 ：成功。
0 ：失敗。又はAcrobatアプリケーションがサポートしていない。

動作するバージョン

Version	Adobe Acrobat	備考
4	-	Acrobat 4.0 ※Windows 98SE + Excel 2000
5	-	Acrobat 5.0.5
6	-	Acrobat 6.0.3 Pro
7	-	Acrobat 7.0.9 Pro Acrobat 7.1.4 Pro
8	OK	Acrobat 8.1.2 Pro
9	-	Acrobat 9.3.2 Extended
10	-	Acrobat X (10.1.8) Extended
11	-	Acrobat XI (11.0.04) Extended

OK = 動作する。
NO = 動作しない。戻り値が0を返す。
- = 未確認。

サンプル：ExcelのVBA

説明：Test01.pdfの最初の1ページにあるテキスト注釈を全てTest02.pdfの最初にページにコピー追加します。

F8キーでステップ実行しながら動作確認する。
事前に参照設定をする。
IAC.BASが標準モジュールで別途必要です。

001 Sub AcroExch_PDPage_AddAnnot()
002 
003     Dim objAcroApp             As New Acrobat.AcroApp
004     Dim objAcroAVDoc1        As New Acrobat.AcroAVDoc
005     Dim objAcroAVDoc2        As New Acrobat.AcroAVDoc
006     Dim objAcroPDDoc1        As New Acrobat.AcroPDDoc
007     Dim objAcroPDDoc2        As New Acrobat.AcroPDDoc
008     Dim objAcroPDPage2      As Acrobat.AcroPDPage
009     Dim objAcroPDPage2A     As Acrobat.AcroPDPage
010     Dim objAcroPDAnnot      As Acrobat.AcroPDAnnot
011     Dim lRet                       As Long     '戻り値
012     Dim lCnt                      As Long     '件数
013     Dim i                          As Long     '添え字
014     Dim lMax                    As Long     '注釈数
015      
016     'Acrobatを起動表示する
017     lRet = objAcroApp.Show  '(注１)
018     'PDFドキュメントを開く
019     lRet = objAcroPDDoc1.Open("E:\Test01.pdf")
020     lRet = objAcroPDDoc2.Open("E:\Test02.pdf")
021     '画面にPDFを表示する。
022     lRet = objAcroAVDoc1.Open("E:\Test01.pdf", "") '(注１)
023     lRet = objAcroAVDoc2.Open("E:\Test02.pdf", "") '(注１)
024      
025     '★注意①：目的のPDFの最終ページに追加したい注釈を
026     '        含んだページを一時期追加する。
027     lRet = objAcroPDDoc2.InsertPages( _
028             PDLastPage, objAcroPDDoc1, 0, 1, False)
029      
030     lCnt = objAcroPDDoc2.GetNumPages - 1
031      
032     Set objAcroPDPage2 = objAcroPDDoc2.AcquirePage(0)
033     '★以下の objAcroPDPage2A の使い方が鬼門です。
034     Set objAcroPDPage2A = objAcroPDDoc2.AcquirePage(lCnt)
035      
036     'ページに注釈オブジェクトを追加する。
037     lMax = objAcroPDPage2A.GetNumAnnots - 1
038     For i = 0 To lMax
039         Set objAcroPDAnnot = objAcroPDPage2A.GetAnnot(i)
040         lRet = objAcroPDPage2.AddAnnot(-2, objAcroPDAnnot)
041         '注釈のテキスト内容
042         Debug.Print i & "=" & objAcroPDAnnot.GetContents
043         ' "Text","Popup"
044         Debug.Print i & "=" & objAcroPDAnnot.GetSubtype
045     Next i
046      
047     '★注意②：Test01.pdfのPDPageオブジェクトを強制解放
048     Set objAcroPDPage2A = Nothing
049     '追加した最終ページを削除する
050     lRet = objAcroPDDoc2.DeletePages(lCnt, lCnt)
051     'Test02.pdfを保存する
052     lRet = objAcroPDDoc2.Save(PDSaveIncremental, "")
053 
054     'PDFファイルを閉じる
055     lRet = objAcroPDDoc1.Close
056     lRet = objAcroPDDoc2.Close
057 
058     'Acrobatを閉じる
059     lRet = objAcroApp.Hide      '(注１)
060     lRet = objAcroApp.Exit      '(注１)
061 
062     'オブジェクトを強制解放する
063     Set objAcroAVDoc1 = Nothing  '(注１)
064     Set objAcroAVDoc2 = Nothing  '(注１)
065     Set objAcroPDAnnot = Nothing
066     Set objAcroPDPage2A = Nothing
067     Set objAcroPDPage2 = Nothing
068     Set objAcroPDDoc2 = Nothing
069     Set objAcroPDDoc1 = Nothing
070     Set objAcroApp = Nothing
071 
072 End Sub

　Highlight：プログラミング言語のソースコードを構文で色分け (GUI編)
　

実行結果

0=これはTest01.PDFのテスト用の１ページ目のテキスト注釈です。
0=Text
1=これはTest01.PDFのテスト用の１ページ目のテキスト注釈です。
1=Popup

補足

(注１)は無くてもいいです。視覚で動作確認をする為に入れてあるだけです。
上記サンプルは大きく４つの処理に別れています。
(1) Test01.pdfのコピーしたい注釈が入っているページをTest02.pdfの最終ページに一旦追加する。
※PDLastPageは定数で値は－２です。IAC.BAS標準モジュールに入っています。
(2) Test02.pdfの（追加された）最終ページにある注釈をTest02.pdfの最初のページに全て追加コピーする。
(3) Test02.pdfの（追加された）最終ページを削除する。
(4) Test02.pdfを保存する。
見ても分かるように、このAddAnnotメソッドは非常に使いずらいメソッドです。
テキスト注釈は１つの注釈で２つのオブジェクト（インデックス）を持っています。
１つ目は「Text」で編集用です。
２つ目は「Popup」でマウスを注釈アイコンに持っていくと表示されるポップアップ画面です。
テキスト注釈はオブジェクト内で上記２つの形式でインデックス管理しています。この点が他のオブジェクトと分かりにくい所です。
・上記サンプルは以下のURLを参考に作りました。
http://support.adobe.com/devsup/devsup.nsf/docs/51343.htm

注意事項

他のPDFドキュメントの注釈からは直接追加コピー出来ません。
よってサンプルの注意①の処理が必要になります。
※いろいろと試してみましたが出来ませんでした。
注意②で「Set objAcroPDPage2A = Nothing」をしないと、次のDeletePagesメソッドが失敗します。
これはバグの様に思われます。
※最終ページ情報を持っている objAcroPDPage2A オブジェクトが Nothing 状態でないので削除出来ないのは、半分は納得も出来るが、やはり問題点だと思われる。

動作確認環境

WindowsXP Pro(+ SP3) +
Acrobat 8.1.2 Pro + Office 2003 + MicrosoftUpdate

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